【カフェ】まったりしたいなら『世界一豪華』より『ヨーロッパ一美しい』カフェがオススメ

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日本ではコーヒーを飲まない生活をしていましたが、ヨーロッパに移住後は毎朝をコーヒーではじめる生活をしています。あんなに苦手で一生飲むことはないと思っていた飲み物を美味しいと感じる日が来るなんて10年前には予想だにしなかったことです。

 ブダペストで生活していて幸せを感じるのは、美味しいコーヒーが飲めるカフェの多さ。パッと入った店でも「ハズした!」と後悔することはほとんどありません。今回は、市内に数多あるカフェの中から、ヨーロッパ一美しいとされるアレクサンドラ・ブックカフェについて紹介します。

 

Lotz-terem és kávézó

最寄駅:Oktogon、またはOpera
メトロ:M1
トラム:4、6番

https://goo.gl/maps/xE2JxsimQ3v

 

 

アレクサンドラ・ブックストアの歴史

元々はカジノだった

アレクサンドラ・ブックストアの入っている3階建(日本式では4階建)の建物は、1884年カジノとしてオープンしました。1884年は清仏戦争が起こった年ですが、以前、中央市場のエントリーでも書いたとおり、この頃のブダペストは黄金期。市の公共事業委員会の管理のもと街の整備が進み、様々な建築物が姿を現した時期です。カジノとしてスタートした当初、この建物には、ビリヤード場、ダンスルーム、カジノなどのほか、高級アパートメントが入っていました。

しかし、1903年の火災による被害もあり、カジノはクローズ。1909年、新しいオーナーの手に移り、1911年にParis Department Storeとして新装開店します。現在も残るこの「Párizsi Nagy Áruház 」はこのときについた名前です。

 

こちらのサイトに当時の写真などが多数掲載されています。

digitalcosmonaut.com

 【参考:ブダペスト中央市場についての過去記事】

amazeinglife.hatenablog.com

 

二度の大戦をくぐり抜けるも戦後はオーナーが二転三転

再出発して3年後の1914年、サラエボ事件を機に、世界は第一次世界大戦に突入。ブダペストの黄金期の終焉とともにParis Department Storeも姿を消し、第二次世界大戦後の1958年、その名をDivatcsarnokと変えて国有のショッピングセンターとして再開します。

ベルリンの壁崩壊後は、一時、ディスカウントストアの手に渡りましたが、経営がうまくいかず、2001年、再度国有化。その後、2005年にフランスの不動産グループThe Orco Property Groupが買収し、4年をかけて改装したのが現在のアレクサンドラ・ブックストアなのです。「ピリオド」・・・とはなりませんでした。

なんと2015年国営のHungarian Development Bankが買収をしています。とはいえ、テナントであるアレクサンドラ・ブックストアは引き続き営業していますので、あまり変化らしい変化はないのですが。

 

 

ハンガリー芸術の王子が作った最高の空間でリーズナブルなコーヒー

建物の外観はアールデコ様式で、本屋自体は至って現代的。入り口の自動ドアを抜けて足を踏み入れた時には、他の都市にあるのと変わらない小綺麗な本屋のイメージしか受けません。しかし、正面のエスカレータを上った先に見える空間はまるで別世界。「Lotz Terem (= Lotz Hall)」とも呼ばれる「 Prince of Hungarian ArtKarl Lotz の描いた壁画の鮮やかなカフェが目の前に現れます。カジノ時代には、ダンスルームとして使われたネオルネサンス様式の空間で、初めて行った時には、高い天井と鮮やかな壁画、大きなシャンデリアに、「これぞ古き良きヨーロッパ」と感動してしまいました。

 これだけでもオススメする理由として十分なのですが、なんとこのカフェ、値段が比較的リーゾナブル。ブックカフェとあって、コーヒーとケーキで本を読みながらソファでまったりしている人がチラホラいたりもします。

 参考価格:カフェラテ(HUF990)、アップルパイ(HUF580)(2016年1月時点)

 

 

ブダペストには世界一豪華なカフェも

この他、ブダペストには世界一豪華とされる「New York Cafe」というカフェもあります。こちらも煌びやかで素敵な上、いろんな種類のコーヒーがあっていいのですが、私は少し苦手。というのも、「世界一豪華なカフェ」という素晴らしいコピーによって、観光地化が著しく、ガヤガヤうるさい。観光客の団体が出たり入ったりを繰り返すので、なんだか落ち着きませんでした。

繰り返しになりますが、コーヒーは種類も多く美味しいです。ただ、ゆっくりコーヒーを楽しみたい人には、アレクサンドラ・ブックカフェをオススメします。

 

 

おまけ | アール・ヌーボーとアール・デコ

ハンガリーの黄金期は、19世紀後半から20世紀初頭。この時代の装飾品には、アールヌーボーとアール・デコがあります。アレクサンドラ・ブックカフェの入る建物の外観は、アール・デコ様式ですが、ブダペスト市内を散策していると、アール・ヌーボー様式の装飾を目にする機会も多いです。ブダペストに限らず、ヨーロッパを旅行するときには知っておくとより楽しめると思いますので、簡単にまとめてみました。

 

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 どうやらアール・デコは、代表的な作家の名前よりも代表的な作品の名前の方が出てくる傾向にあるようです。

 

<アール・デコ様式の建築物>

  • クライスラービル
  • エンパイアーステートビル
  • 東京都庭園美術館(朝香宮邸)

 

おまけのおまけ 

現在、アール・デコ様式の東京都庭園美術館で、アール・ヌーボーの代表的作家であるエミール・ガレの展覧会が開催されているようです。(〜2016年4月10日まで)

www.teien-art-museum.ne.jp

 

 

参考文献:

ハンガリーを知るための47章(羽場久浘子著、明石書店)

Alexandra Bookcafe - Europes most Beautiful Cafe | Digital Cosmonaut

State dominates last year’s big deals | The Budapest Business Journal on the web | bbj.hu

第134回 「アール・ヌーボー」と「アール・デコ」って?

あなたの知らないアートの世界: 曲線のアール・ヌーヴォーと直線のアール・デコ

  

ハンガリーを知るための47章 エリア・スタディーズ

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